ブログに戻る
ミックスに必要なstemsは何本?

ミックスに必要なstemsは何本?

ミックスに必要なstemsは何本か、と検索窓に打ち込んでも、返ってくるのはたいてい曖昧な答えです。場合によります、エンジニアに聞いてください。いや、そんなに場合によりません。自動ミキサーにとって、そして正直に言えば人間のエンジニアの多くにとっても、ほぼすべてのケースを片付ける一つのルールがあります。音楽的な役割ごとに1本のstemを書き出すこと。マイクごとでもなく、セクションごとでもありません。たいていのバンドなら8本から14本のあいだに収まります。

バンドがstemsの書き出しで失敗する2つのパターン

1つ目の失敗は、書き出しが少なすぎることです。ステレオのバウンス1本はすっきりして見えますが、バランスの判断がすべてその中に永久に焼き込まれています。そのファイルの中でギターがボーカルを埋もれさせているなら、ボーカルは埋もれたままです。Bandmixrにも直せません。stem分離の機能はありませんし、AIで分離するツールは存在しますが、バウンスから取り出せるのはにじんでアーティファクトだらけの近似であって、元のトラックではありません。ステレオファイルはマスタリングはできても、ミックスはできません。ミックスとは分かれたパートのバランスを取ることであり、バウンスはその分離をたった今消してしまったからです。

2つ目の失敗はその逆で、生のマイクトラックを全部アップロードに放り込むことです。24個のファイルが入ったフォルダを想像してください。3つは同じギターアンプを別々のマイクで録ったもの、ベースはDIとアンプの信号で2回登場し、ドラムキットだけで8枠を食います。これらの重複は別々の音楽的パートではありません。1つのキャビネットに立てた2本のマイクのバランスは、録音の時点であなたがすでに下した音作りの判断です。それを未解決のまま渡すということは、あなたの音を誰か別のものが決め直すということです。人間のエンジニアも同じことを言います。だいたい24トラックあたりが、多くの人がグループをまとめてくれと言い出す境目で、stem単位で課金する人もいるので、重複は実際にお金がかかります。

ルール:音楽的な役割ごとに1本のstem

まず用語の整理から。この言葉は常に混同されています。マルチトラックは生の個別録音で、マイクや入力ごとに1ファイルです。stemsはそれらのトラックをグループにまとめて1ファイルに書き出したものです。ミキサーが必要とするのはその中間にあり、stemsとは何か、なぜ重要なのかがこれをきちんと解きほぐしています。

書き出し当日の定義はもっと単純です。役割とは、バンドの誰かが単独で上げたり下げたりしたくなる可能性のあるパートのことです。リードボーカルは役割です。ベースは役割です。各ギタリストのパートは役割です。ギターキャビネットの3本目のマイクは役割ではなく、すでに存在する役割の風味です。判定方法はこうです。これだけのためにフェーダーを触ることがあるか。アンプのマイク1をそのままにマイク2だけ上げたい人はいません。上げたいのはギターです。

アップロードするファイルは1つ1つがミックスの中の声になります。Bandmixrは各stemのラウドネス、周波数成分、ダイナミクス、位相、クリッピングを解析し、その声を軸に階層、EQ、Panning、ぶつかりの解消を組み立てます。大きなバウンスの中に閉じ込められたパートは単独でバランスを取れませんし、3つのファイルに散らばったパートは、1つのものなのに3つとして扱われます。Bandmixrの中であなたのstemsに何が起きているかがこの流れを一段ずつ説明しています。

ドラム:キットを分けるか、バウンスするか

キットこそがこの問いが現実になる場所です。オンマイクで録った標準的なキットは、それだけで約8本のマイクになるからです。Kick、Snareの表と裏、ラックタム、フロアタム、オーバーヘッド2本、そしてルームマイク。ドラムのstemが8本も必要なわけではありません。かといって1本でもありません。

ちょうどいいのは4本です。Kickを単独で、Snareは2本のマイクをまとめて1本に、タム類を1ファイル、オーバーヘッドとルームマイクを合わせてステレオ1ファイル。Kickが自分専用のstemに値するのは、Kickとベースが同じ低域を奪い合うからで、ぶつかりの解消は、Kickが別ファイルで届いて初めて両者を削り合わせることができます。KVRのプロダクションフォーラムの小さな投票では、4分の3がドラムトラックを分けることに投票し、いちばん強い根拠はKickでした。キット全体を1ファイルとして圧縮すれば、Kickが鳴るたびにシンバルまで一緒にポンピングします。stemsからバンド全体をミックスする方法では、このKick対ベースの陣取りが低域全体を決めてしまう理由をさらに掘り下げています。

ここで正直なトレードオフの話です。よくバランスの取れたステレオのドラムバウンスでも十分機能します。ドラマーがステレオ出力の電子ドラムを叩いている場合や、レコーダーがキットのミックスしか出してくれなかった場合は、ドラムstem1本としてアップロードすれば曲はちゃんとまとまります。失うのは精度です。エンジンはドラムを1つの声として扱うので、Kickに対してベースをダッキングさせることも、シンバルを上げずにSnareだけ持ち上げることもできません。許容範囲ではありますが、理想ではありません。良いテイクを分けるためだけに録り直す必要はありませんが、Kickだけ別に書き出せるならそうしてください。

書き出す前にまとめておくもの

1つのパートを複数で録ったものは、すべて1ファイルに書き出します。ギターキャビネットの2本のマイクは、バランスを決めてstem1本に。ベースのDIとベースアンプは、好きなバランスを選んでベースstem1本に。ダブルで録ったバッキングのパートは、ダブル分を含めたステレオ1ファイルで出して構いません。違うパートを弾く2人のギタリストは常に分けます。これは2つの風味ではなく2つの役割だからです。6テイク重ねたコーラスは1つの役割なので、ステレオstem1本にバウンスします。そしてグループとその中身のトラックを両方書き出すことは絶対に避けてください。同じ音声が2回届いてしまいます。

実際の編成での実際のstem数

ギター1本、ベース、ドラム、ボーカルのトリオなら、キットを分けて7本か8本です。2人目のギタリストとギャングボーカルが入る4人編成なら9本か10本あたり。キーボード入りの5人組ロックバンドなら、フォルダはこうなります。

  • Kick
  • Snare
  • タム
  • オーバーヘッドとルーム(ステレオ)
  • ベース
  • リズムギター1
  • リズムギター2
  • リードギター
  • キーボード
  • リードボーカル
  • コーラス(ステレオ)

11本です。バラード用にパーカッションのオーバーダブとアコースティックギターを足せば、上限は13本か14本あたり。何がないかに注目してください。2本目のアンプマイクとDIのファイルは統合されて消え、ハモリのテイクはコーラスのstemの中に収まっています。どの行も役割であり、つまりどの行も音楽的に意味のある動きをするフェーダーです。

本数がいくつになっても、機能させるための機械的なルールが3つあります。すべてのstemは1小節目から始めること。その楽器が2番のサビまで無音でも同じです。そして同じ長さにして、アップロードしたときにファイルが再び揃うようにすること。ファイル名は役割で付けること。Kick.wav、Lead Vocal.wavのように。Audio1.02は絶対にやめてください。

書き出しはドライかつロスレスで。WAVかFLAC、マスターバスにリミッターなし、どこにもクリッピングなし。リバーブや強いコンプレッションは基本的に外しておくほうが良いです。書き込まれたエフェクトは後から取り除けないからです(そのパートを定義しているものだけ残してください)。そして土台の録音そのものが弱点なら、本当にミックスできるバンドのリハーサル録音のしかたが次回に向けてその話を扱っています。

16本と24本という上限が実際のバンドにどう収まるか

Bandmixrは無料プランで1プロジェクトあたり16 stemsまで、CreatorプランとProプランでは24本まで受け付けます。キットを分けた5人組は11枠を使うので、無料プランでもパーカッションとシンセパッドを足す余裕があります。24本の上限なら、その上にホーンセクションとオーバーダブの山を載せてもまだ収まります。